空を目指したトビウサギ

キバリです。更新は気が向けば。過去は二次創作東方話を書いていました。今は雑談多め。多分。

もこけね過去話 4

多分一番長い。

次の日の夕方。

 寺小屋の門の前で待っていると、慧音が出てきた。しかし、彼女の表情は暗かった。

「どうしてそんなに暗い表情をしているの?」私は尋ねた。慧音はため息を付いた後、

話してくれた。

「私は満月の夜に幻想郷の歴史を纏めるんだ。だから、今日の夜は、

 私の家に来てもいいが、絶対に私の部屋を覗くな。分かったか?」「え、うん…。」

そんなに大事な仕事ならしょうがないか。私はその夜、ずっと一人で過ごした。

「――終わったぞ。」その声で私はハッと目を覚ました。寝てはいなかったけど、

軽く意識がどこかへいっていた。外を見るともう朝になっていた。

「…里の守護者って大変なんだな。」「え?ああ、うん。」

…あれ。こんな孤独、慣れているのに。こんなに普通の人間を想ったのは初めてだ。

 それから毎月満月の夜は二人別々の部屋で過ごすようになった。

しかし、私はその時に感じる孤独感に耐えられなくなってしまった。

この感情は……いや、これは異性に抱くものだ。絶対違う。そうだ。でも…

 とある夏の夕方、私は慧音に頼み込んだ。

「大丈夫っ静かにするからっ」「…ダメだ。」「私もう無理、慧音と離れたくない」

離れたくない。これは半分冗談で、半分本当だ。しかし、何度も頼み込んでも

慧音は首を縦に振ってくれず、逃げるように自分の部屋に入ってしまった。

私はこれでも諦めきれず、夜、慧音の部屋に突入すると決めた。

 夜。私は足音を立てないように廊下を歩いた。家の中は静かで、自分の心臓の音が

大きく聞こえる。足音一つ立てずに慧音の部屋の前までやってこれた。

飛べばよかったんじゃない?そんな疑問も、全て緊張した空気で消えてしまった

ふすまに手をかける。さらに心臓の音が大きくなり、速くなった。

私は決心し、勢いよくふすまを開いた。ふすまがバンッと音を立てた。

すると「わわっ!」慧音が声を出した。やっぱり驚いたか。

私はニヤリと笑い、慧音を見た。そして、

                 私は固まった。

「ぁ…ぁ…」慧音が怯えている。いや、そこにはいつもの慧音はいない。

長い角と尻尾を生やした――慧音がいた。

慧音はとうとう泣き出してしまい、一生懸命話してくれた。

「妹紅、今まで隠していてごめん。私は純粋な人間じゃないんだ。半人半獣なんだ。」「半人、半獣?」

「…そう。私は人間の血と、ハクタクという聖獣の血をひいているんだ。

 満月の夜にだけ、私の本来の姿、妖怪の姿になれるんだ…。」

「そう…だったんだ…。」私はただ、真実を受け止める事しかできなかった。

「妹紅、あなたも逃げてしまうのかい?」「え?」

「この姿を見た人間は『化け物だ』と言って逃げてしまう。満月の夜の

 里の守護者からな。」

「慧音…私は…。」「…」「逃げない。」「…!何故だ?」

「慧音だから、だよ。たとえ妖怪だろうが何だろうが、慧音は、慧音だから。」

「も…妹紅…」私は慧音を抱きしめた。そして、「大丈夫だよ」と言った。

すると慧音の紅い瞳から涙がポロポロと溢れ出した。そして、震えた声で言った。

「人間…妹紅に受け入れてもらえてよかった……!!」

そのあと慧音はわんわん泣き続けた。

――――人間。確かに私は人間だ。しかし、私は『不老不死』となった身だ。

純粋な人間ではない。

私はこのことを慧音に言っていない。このことを知っているのはアイツのところくらいだろう。目の前の人間の心を持った妖怪と、妖怪(バケモノ)と化した私は、

抱きしめ合い続けていた。  

 

1400文字…!!正直疲れた((

そして続く。